ヤンデレ腹黒な仮面作家は激重な執着溺愛を隠さない
 天井にはプラネタリウムのように星が映し出された。流星が空を彩り、観客から歓声が上がる。

「俺のミューズであり、希望の星のように導いてくれました。星森耀理さんです」
 直後、スポットライトが当たり、耀理は硬直した。

 壇上の史弥が降りて来て、彼女に手を差し伸べる。
 わけがわからないままにその手をとると、壇上に連れていかれた。スポットライトはふたりを追いかけ、照らし続ける。

 なにが起きているの。
 心臓がばくばくして、目がちかちかする。
 たくさんの人に見られている緊張から、足が震えてしまう。

 にこっと笑った史弥はすっと体を沈ませた。
 跪いた彼は懐からひとつのケースを取り出す。

 手のひらに収まる程度の大きさので、見た目はまるで魔法の書。真ん中に魔法陣が描かれていて、それだけで胸がときめく。
彼がそれをぱかっと開くと、中から現れたのは指輪だった。スタームーンストーンのそれは、乳白色のやわらかな色の中、六条の星が輝いている。

「星森耀理さん。どうか俺と結婚してください」
 彼の言葉に、耀理はなにも言えなかった。かまわず史弥は続ける。

「指輪にはあえてムーンストーンを選びました。硬くて傷付きにくいダイヤモンドと違って、あなたが好きだというこの石は硬度が低く、傷つきやすくて割れやすい。だからこれは俺の誓い。なにがあっても傷をつけないくらい深い愛であなたを包むから」
 耀理は息をのんで彼を見た。

 スポットライトを浴びた彼は、いつも以上に眩しくて、ただただ眩しくて。
 星が流れる空の下、受け取るために震える両手を差し出す。と、彼は耀理の左手をとって、ケースから指輪を取り出して指にはめてくれた。
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