ヤンデレ腹黒な仮面作家は激重な執着溺愛を隠さない
エピローグ
「おはようございます」
出勤した耀理は元気よく挨拶した。
「おはよー」
開店準備としてレジにお金を入れていた美帆がにこっと挨拶を返してくれる。
「愛しの旦那様、店を辞めちゃってさみしいね」
「やめてください」
耀理は渋面になるが、美帆はにやにやしている。
私営図書館でのプロポーズはネットにあげられ、ファンサとして挙げられていたプロポーズの相手と同一人物だと突き止められ、にぎやかな話題となった。
一週間たった今は落ち着いているが、当時はいたたまれなかった。
「照れちゃって。かわいい」
「照れてるわけじゃないです」
否定はするが、恥ずかしくて頬が熱い。
あのプロポーズは絶対にずるい。OKしたのは自分だが、雰囲気に呑まれていたと思う。紀香との対決直後で気が昂っていたせいもあるだろう。あの状態でプロポーズだなんて。いや、これも彼の策略かもしれない。なんとしてでもOKをもらうという執念の結晶だろう。
「もともと取材名目で書店に来てただけで、本命である耀理ちゃんを手に入れたならもう来る必要ないもんねえ」
どう答えたらいいのかわからず黙っていると、美帆は続ける。
「お店は月見猫千夜の聖地になって聖地巡礼でお客さんが増えたし、興味本位の人も本を見て買ってくれたりするし、読書人口が増えそう。これも星森さんたちのおかげだよ」