ヤンデレ腹黒な仮面作家は激重な執着溺愛を隠さない
「本に貢献できたなら嬉しいですけど……」
「できてるって。自信持って。今回のコーナー展開もすごいじゃない。お店の今日のSNS用に写真撮ってきたら」
「ありがとうございます」
 耀理はスマホを手に昨夜のうちに作った新作コーナーを確認しに行く。

 エンドの平台に天乃河静火の新作だけを螺旋状に本を積み上げ、天辺には回転台を設置して本を回転させている。これはたくさん売れると判断した取次がたくさん入荷させてくれるからこそできる展示方法だった。

 さらにモニターを設置。映画の予告と本の宣伝動画を流して注目を集めるようにした。人は動くものに注意をひかれるから、足を止める人が増えるはずだ。コラボ商品のペンやブックカバーも同時に展開している。

「たくさんの人を幸せにしてね」
 本を撫でて、思わずそうつぶやく。
 星空を模した表紙には、幸せそうな男女のうしろ姿が描かれていた。



 仕事を終えた耀理は史弥のマンションに向かった。
 もらっていた合鍵を使い、部屋の前に来るとインターホンを鳴らす。

『耀理! 勝手に入って来ていいって言ったのに律儀だね。どうぞ入って』
「ありがとう」
 インターホンに答え、耀理は合鍵で鍵を開けて中に入る。と、中から史弥が早足で歩いて来た。

「お帰り!」
「お邪魔します」

「ただいま、だろ?」
「一緒に住んでるわけじゃないから」
「早く一緒に住もう」
 べったりと抱き付かれ、耀理はため息をつく。相変わらず愛が重い。
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