ヤンデレ腹黒な仮面作家は激重な執着溺愛を隠さない
「ごはん作っておいたから。一緒に食べよう」
「ありがとう」
 中に入ると、麻婆豆腐に唐揚げ、青菜の炒め物などが並んでいた。

「どれもおいしそう」
「よかった。料理はあなたに会う日のために練習しておいたんだ」
 また重いことを言う、と耀理は苦笑した。
 いただきます、と挨拶をしてから料理をいただく。どれもおいしくて、自分のためにだと思うと胸が熱くなる。

 耀理は深く反省した。
 こういうところひとつとっても、彼は決して遠い世界で輝く星ではなく、同じ世界に住む人なのだし、同じ視点で考えてくれようとしているのだとわかる。勝手に身分違いだと思って壁を作って彼を拒否していたのが、今となっては彼に申し訳ない。

「新しい本の宣伝アイディア、いろいろありがとう。本を買ってSNSに投稿したらオリジナルしおりや壁紙をプレゼントとか。ファンアートコンテストとか、一言投稿サイトでの感想コンテストとか。たくさん考えてくれて嬉しい」
「単にそういうのがあったら楽しいなって思っただけで、たいしたことは……」

「謙虚だなあ」
 史弥はレンゲを使い、にこにこと麻婆豆腐を口に運ぶ。
「一言投稿サイトのアカウント、また作り直す?」
 彼に聞かれ、耀理は視線をテーブルに落とした。

「みんなを振り回しちゃったから、自粛したほうがいいかと思ってる」
「あいつが不当に要求した内容なんて気にしなくていいんだからな。そんな約束、守る必要はないし、破ったところで不誠実な人間になるわけじゃない」
「そっか……そうだね」
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