ヤンデレ腹黒な仮面作家は激重な執着溺愛を隠さない
それからの耀理は針のむしろだった。レジでは彼の指導係だからと隣にいるのだが、パートのおばさま方の温かい視線が突き刺さる。
パートの女性陣は隙を見て彼に話しかける。
「耀理ちゃんね、最近失恋したのよ」
「そうなんですか!?」
「そうなのよ。詳細は教えてもらえなかったんだけどね」
「耀理ちゃんには幸せになってほしいの。しっかりやるのよ!」
「はい!」
みんなに面白がられている、と苦々しく思っていると、若い女性が彼のレジに向かって歩いて来た。
「あの、この漫画の初回限定版を探してるんですけど……」
「あ?」
彼はがらの悪い返事をして女性をにらみ、耀理はすかさず彼を押しのけた。
「少々お待ちください」
史弥にパソコンでの検索の仕方を教えながら検索し、お客様に向き直る。
「すみません、当店にも系列店にもありません。出版社にも在庫がありませんでした」
「そうですか」
「こちらはどうされますか?」
「やめます」
彼女はがっかりしながらカウンターを去って行った。
「お客様をにらまないで」
「すみません」
史弥はしょんぼりとうなだれる。
そういえば目つきが悪くてにらんでいると誤解されると言っていたような。
「ちょっと棚の掃除でもしてきて。ついでに本の場所を覚えて来てね」
もふもふのはたきを渡すと、彼は大きな背を丸めてカウンターを出る。そのときだった。