ヤンデレ腹黒な仮面作家は激重な執着溺愛を隠さない
「こうしちゃいられない。今すぐ行こう!」
「どこへ?」
「誕生日プレゼントが買えるところ!」
 彼が帰る準備を始めるから、耀理も慌てて帰り支度をする。

「いいよ、プレゼントなんて。話を聞いて怒ってくれただけで嬉しいから」
「ほんとに!?」
 彼はぐるんと振り返って耀理を見下ろす。相変わらずの眼力に圧されながら、耀理は頷く。

「だけどプレゼントは必要だ」
 彼の剣幕に、耀理は冷や汗を流す。この様子では買うまで引かないだろう。

「じゃあ、本を買ってもらえる? 遅くまでやってる書店があるから、そこで」
「わかった。すぐにタクシーを呼ぶ」
 彼はすごい勢いで電話を始め、耀理はため息をつく。

 たぶん、ここもタクシー代もおごってくれるだろう。なにかお返しを考えないと。
 だけどお返しをしたらそのお礼をすると言い出しそうだ。

 電話を終えた彼はにこっと笑う。
 居酒屋の薄暗い明かりの下では、陰ができて迫力がある。
 だけど、もうなにも怖くはなかった。
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