ヤンデレ腹黒な仮面作家は激重な執着溺愛を隠さない
「前作の流星の下でプロポーズするシーン。あんなに喜んでくれてたなんて知らなかった。改めてプロポーズするときには再現できるといいけどな」
 耀理はあきれた。確かにあのシーンはすごく好きだし、実現できたら一生の記念になるだろう。が、自然現象なんて人間に操れるわけがないんだから無理に決まってる。

「それで。俺のアカウントであなたにDMを送ったんで見てくれ」
「なにを?」
 つい聞き返してしまった。しまった、と思ったときにはもう遅くて、彼は嬉々としてスマホを取り出す。

「これだ!」
 画面に映るのは、斜め上から見たどこかの部屋だった。簡素な部屋には濃茶の木でできた豪華なパソコンデスクがあり、パソコンが置かれている。

「俺の書斎にペットカメラを設置した。アプリとパスコードを送ったから、いつでも俺のこと見られるよ」
「え……」
 耀理はドン引きした。

「訂正。俺のこと、いつも見ててくれ。あなたが見てくれてると思うと執筆がはかどる!」
「ないわ……」
 耀理はただひたすらにドン引きした。
 ヤンデレが好きな人を監視するために隠しカメラを設置する作品は見たことがあるが、自室に監視カメラをつけて『俺を見て』というパターンは見たことがない。

「店長と交渉してあなたと俺の休みを合わせてもらったから、その日にデートに行こう。どこがいい? 水族館? 動物園? テーマパークもいいけど、ドライブもいいなあ。あなたが行きたがっていた新設の図書館はまだ先だし」
 うきうきと話す彼に、耀理は気を取り直して背筋をピシッと伸ばした。
< 42 / 121 >

この作品をシェア

pagetop