ヤンデレ腹黒な仮面作家は激重な執着溺愛を隠さない
今日のサイン会については昨日、一言投稿サイトでもつぶやいていた。スマホを取り出してサイトを見てみると、フォロワーのみんなに『うらやましい』『楽しんで来てね!』などコメントをもらっていた。会ったこともない人たちだが本が好きという共通点で知り合い、感想などでコメントをしあっている。
すでに午前中に一回来て新刊は買っている。アクリルキーホルダーつきの初回限定版だ。そのときに整理券はもらっていたので、サイン会の列に並ぶ。
様々な年齢の着飾った女性たちが同じ本を手に、同じく期待に満ちているのを見て仲間意識が湧いた。
今日は自分もがんばってオシャレをしてきた。めったに使わないヘアアイロンで肩までの黒髪を巻き、メイクも服も新調した。
整列させているのは主婦バイトの窪浦美帆だった。彼女は三十五歳で年齢は離れているが、耀理とは仲がいい。主婦なので早番で固定して勤務している。
「お疲れ様です、窪浦さん」
「星森さん、お疲れ様。作家さん、もうすぐ来るよ」
「楽しみ」
耀理はにっこりと笑みを返す。
美帆はすぐに店員の顔に戻り、耀理は一般客の顔をして黙って列に並んだ。
サイン会のあとでバックヤードに会いに行ってもいいだろうか、それはずるいだろうか。だけどせっかく店員なのだから、少しくらい役得が欲しい。
葛藤にもだえながら、待っていると、ようやく開始時間になった。
時間になって現れたのは背の高い男性だった。黒髪のつややかさも紺のスーツを身に着けた痩身も見事だが、それ以上に顔の上半分を覆うベネチアンマスクにひき付けられる。白い地に青のグラデーションが美しく、銀でツタのような装飾が施され、見事だ。スーツとの違和感がすごいのにさまになっているのもまたすごい。
耀理は新刊をぎゅっと抱きしめ、オーラが半端ない彼に熱のこもった視線を送る。
すでに午前中に一回来て新刊は買っている。アクリルキーホルダーつきの初回限定版だ。そのときに整理券はもらっていたので、サイン会の列に並ぶ。
様々な年齢の着飾った女性たちが同じ本を手に、同じく期待に満ちているのを見て仲間意識が湧いた。
今日は自分もがんばってオシャレをしてきた。めったに使わないヘアアイロンで肩までの黒髪を巻き、メイクも服も新調した。
整列させているのは主婦バイトの窪浦美帆だった。彼女は三十五歳で年齢は離れているが、耀理とは仲がいい。主婦なので早番で固定して勤務している。
「お疲れ様です、窪浦さん」
「星森さん、お疲れ様。作家さん、もうすぐ来るよ」
「楽しみ」
耀理はにっこりと笑みを返す。
美帆はすぐに店員の顔に戻り、耀理は一般客の顔をして黙って列に並んだ。
サイン会のあとでバックヤードに会いに行ってもいいだろうか、それはずるいだろうか。だけどせっかく店員なのだから、少しくらい役得が欲しい。
葛藤にもだえながら、待っていると、ようやく開始時間になった。
時間になって現れたのは背の高い男性だった。黒髪のつややかさも紺のスーツを身に着けた痩身も見事だが、それ以上に顔の上半分を覆うベネチアンマスクにひき付けられる。白い地に青のグラデーションが美しく、銀でツタのような装飾が施され、見事だ。スーツとの違和感がすごいのにさまになっているのもまたすごい。
耀理は新刊をぎゅっと抱きしめ、オーラが半端ない彼に熱のこもった視線を送る。