ヤンデレ腹黒な仮面作家は激重な執着溺愛を隠さない
8 メッセージ
翌日、耀理はどんよりと暗い顔で出勤した。
アカウントが気になってろくに眠れていない。
早番だから、オープン準備でレジに行くとすでに美帆がいた。
「おはよう。なんかひどい顔色だけど大丈夫?」
「一言投稿サイトのアカウントが乗っ取られて」
「マジで!?」
美帆が驚きながらレジにお金をセットする。
「運営にメール送ったけど、定型の返事が来ただけで、ダメだった」
カウンターのパソコンを立ち上げながら耀理が言う。
犯人はおそらく紀香だ。だから紀香に連絡を入れたが、既にブロックされていた。
新しいアカウントを作って紀香のアカウントに連絡をいれたがそちらもすぐにブロックされ、連絡がつかない。もちろん、乗っ取られたアカウントへのアクセスもブロックされた。
仕方なく、新しいアカウントを作って乗っ取られたことをプロフィールに書き、つきあいの合ったフォロワーに連絡を入れた。
嬉しいことに、彼ら彼女らは『そうだと思った』『通報しておきますね!』と新たにフォロー・フォロワーの関係になってくれ、乗っ取りを拡散してくれた。
今まで育てたアカウント。いろんなフォロワーとのやりとりや思い出のつまったアカウントだ。乗っ取られただけでも悔しいのに、自分や彼の名誉を傷つける内容ばかりを投稿されているのも腹が立つ。
そうして、史弥が月見猫千夜であることも知られてしまったはずだ。乗っ取ったアカウントのDMを見れば一発でわかることだ。
紀香が店を去るとき、「耀理は身の程を知るのよ」と言っていたことが脳裏に蘇る。まさか今まで見向きもしなかった耀理のアカウントに目をつけるとは思わなかった。