ヤンデレ腹黒な仮面作家は激重な執着溺愛を隠さない
 作家でなくても、あんなメッセージは簡単に解読できただろう。
『月を求めて』
『みんな、恋がしたかった』
『音色が輝く海の底』
『三時のおやつは愛するあなたを』
『大福よりも甘く愛して』
『スルースキルで溺愛社長から逃げ切ります!』
『キミに捧げる物語』

 この作品の頭の文字を並べると、『(つき)み音《ね》(サン)|三(さん)(だい)スキ』になる。

「ネットでバズってたよ。公式が個人的なメッセージを送ったって」
「は、恥ずかしい……」
 耀理の顔は今や燃えそうなくらいに真っ赤だ。

「『ツキミネさん気付いてあげて』とか、『公開告白!!』とか。『会社におこられるんじゃないの?』っていう心配の声もあったよ。便乗してコーナーを展開し始めた書店もあるって」
「やめて、もうやめて」
 耀理は両手で自分の顔を覆った。顔が熱くて熱くて、湯気が出そうだ。

 史弥はくすくす笑ってさらに続ける。
「今度はあなたの番。どうしてアカウントを消したのか、教えて」
 言われた耀理は彼と距離を取り、正対して話をする。

「まずは謝らせて。きっと週刊誌のバッシングが出たのは私のせい。私が紀香を怒らせたせいだから。ごめんなさい。なんとかしたかったんだけど、そのせいで心配させたみたいで、それもごめんなさい」
「放っておいてって言ったのになあ」
「もう二度あなたに関わるなっていう意味を優しく言ったのかと思って……」
 史弥は目を丸くしてから、にこーっと笑った。
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