ヤンデレ腹黒な仮面作家は激重な執着溺愛を隠さない
「放っておいてを深読みしたの? かわいいなあ」
「かわいいって」

「しかも、心配してくれたんだろ?」
「当然だよ」
「苦しい中、俺のために動いてくれたなんて……!」
 再度の感動に震える彼に、耀理はあきれる。

「で、それから?」
 促す彼に、さらに説明する。
 アカウントを消して史弥との接触をしなければアカウントの悪用を辞めると言われたこと。もし今後接触したら、解英社の週刊誌を使ってさらにバッシングさせると言われたこと。
 史弥は話を聞くうちに目がどんどん吊り上がっていった。話の腰を折らずに聞いたあと、全身から怒りの黒いオーラを漂わせる。

「許せない。あいつ、どれだけあなたを傷付ければ気がすむんだ」
 見慣れた彼が別人になってしまったかのようで、耀理は思わず身を引いた。

「そもそも天乃河静火が月見猫千夜と同一人物であることは隠してはいない。業界の人ならだいたい知ってる」
「そうなの!?」

「あのバッシングが出たタイミングはたまたまだ。あの女はそれをうまく利用してあなたを追い詰めたんだ」
「そんな……じゃあ慎一……浅沼さんが週刊誌に売り込んだわけじゃないのね?」
「あいつは俺を見ても誰かわかんなかったんだから、そんなことできやしない」
 確かに、史弥が作家だと気付いていたら、対面したときに態度が変わっているはずだ。

「週刊誌は俺が解英社に乗り込んだときのものだろうな。ロビーで引き留められて話しているのを週刊誌の記者が見て、ネタにしたんだろう」
「そうだったの……」
 耀理は複雑な気持ちになる。遠因は自分にあったのだとしか思えない。

「そんな顔しないで。あなたにはまったく責任はない」
 顔を上げると、にっこりと笑う彼の姿があった。だが、怒りに燃える目のせいで、妙な迫力がある。
「あなたの憂いは俺が晴らす。ここからは反撃の時間だよ」
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