ヤンデレ腹黒な仮面作家は激重な執着溺愛を隠さない
 あと六日、と、弁護士事務所の看板の写真とともに、弁護士に相談に行って来たと投稿する。

 あと五日。乗っ取られたときの資料はある、とA4の封筒の画像の投稿をする。

 あと四日。犯人はわかっているから情報開示など必要なく、すぐに動ける、と投稿する。

 あと三日。刑事事件にすることを検討。警察へ名誉棄損で被害届けを出すべく相談に行ったと投稿する。

 あと二日。内容証明を送る準備が完了した、と投稿。

 あと一日。今日中に連絡がなければ行動に移す。

 これらの動きを、耀理はハラハラしながら見守っていた。
 紀香は耀理の連絡先を知っているが、連絡はない。もう消してしまっていて、わからないのかもしれない。
 だから、史弥の作家としてのアカウントのDMへの連絡を受け付けたのだ。

 DMには最初、無関係な連絡が多数来た。
 ファンです、応援しています! というものが多く、次いで犯人を自称する人たちからのDMもあった。それらは耀理が見て、紀香のアカウントがどうかを判別していった。
 結局、紀香からの連絡がないままに最終日となっている。

 最後の一日は彼のマンションで過ごした。
 彼は書斎にこもって平然と執筆をつづけているが、耀理はまったく落ち着かない。
 広いリビングで本を読んでいたが、集中できずに顔を上げ、また本に視線を落とす。
 なんどそれを繰り返したかわからない頃、ぱたぱたと足音が聞こえて、リビングに史弥が入って来る。

「来たよ!」
 彼の声に、はっと息をのむ。
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