愛が重いNo.1ホストに追われています。
「てか成世サン、金ある癖に全然経済にも自分にも投資してないよね。」
「…………」
「俺に投資するくらいなら名刺入れくらい買やいいじゃん。」
あーあーハイハイハイつまりあんたは私を抱いたことを後悔してるってこと?私には「後悔しても無理」とか言っておいて?
私のデスクに大学の名刺を放って、事務室から出ていく七三倉晩。夜は胡散臭いベージュスーツだったのに、昼はチャコールグレーの量産型スーツだ。
事務の女性メンバーには早くも色よい噂をされている。一見根暗そうでも、女性への気配りができる紳士的な男性社員というのは満場一致で花マルらしい。
まあ分からなくもない。私の前をゆく男性社員には、必ず目の前で扉をバタンと閉められる。扉を持って、さあどうぞと促せる男性社員は地球にいないと思っていた。
でも旭陽だって絶対紳士的。うん!私が後ろにいたら絶対に扉を持って待っていてくれるタイプに決まっている。
「(そういえば春闘大会の夜、マリア先輩と七三倉、飲みに行くって言ってたけどどうだったんだろう?)」
どうでもいい記憶が、ふと頭のどこかに沸く。
「(まさか……サイコマリアを送り狼?送られ狼?)」
あまりにもありえそうな情事だ。学生時代に見たドラマのベッドシーンが、キラ君とマリア先輩の顔となって思い出される。
意外にも気持ち悪くないのが恐い。美しいものは、例え便器掃除をしていても絵になるというのか。
私はチョコバットをかじって頭の中から追い出した。
( ´ö` ).。oஇ
「(破天荒マリアのパンツは薄ピンクだった。)」
胸もでかくてパンツ見せられてもネタにしかならない女が、女芸人意外にもいるということを知った日。
「(でも俺は椿鬼奴ならいける。)」
一服でもしようと喫煙所に行けば、ちょうど外回りから帰ってきたのか、パリピの異端児、野口さんがタバコをポケットから出し始めていた。
一瞬、火をつけないとと脳が働いたけど、今はホスト中じゃないためライターを持ち合わせていない。
「野口さん、お疲れです。」
「七三倉くん!今日も丸メガネがこなれ感満載でええ男だねえ」
「そういう野口さんこそ。リヴァイ兵長ばりのセンター分けが、いい具合に女性社員たちの目を引いてますよ。」
「女性の躾に一番効くのはイケメンだしね」
「まあそれは野口さんの持論ですけどね。」
「あははーいいねいいね。うん七三倉くんめっちゃ好き!」
「ここで、俺も好きです。って答えたら誤解されそうなんで、腐女子は俺が必ず絶滅させると誓っときます。」
「七三倉くんに足りないのは教育よりも教訓だと思うよ」
(参照:リヴァイ語録より)
隣の野口さんから“投げきっす”をされた。