腐女子がオフ会で知り合ったのは腐男子でした
店内はそこまで広くはないので、店内で別々になる分には問題ない。
というか、その方がこちらとしては助かる。今更どんな本を読んでいるのかとかバレても支障はないが、せっかく美咲くんもやってきたので、ゆっくりしてほしいという気持ちもある。
しかし、美咲くんは大丈夫なのだろうか。確か一人で来られないから、私と一緒に来てほしかったはず…。

「でも大丈夫なの?一人で店内うろついても…」

「今はなんか大丈夫な気がする。お宝探しという名目があるから」

人はほしいものがあると、目が眩むのだと知った。

「それに俺も乙女ロードは二回目だから、少し慣れてきたところもあるかもしれない」

人間慣れればこんなものと思えてくる瞬間がある。どうやら、美咲君が慣れてくれたみたいで嬉しかった。同時に少し寂しくもあった。

「分かった。じゃ、居づらくなったら私を探してくれればいいから」

ここは一旦、一人にしてみようと思う。
あまり過保護すぎても美咲くんに嫌われてしまうかもしれないので、そこは適度な距離を保つことにした。

「そうなった時はそうさせてもらうよ。それじゃまた後で」
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