腐女子がオフ会で知り合ったのは腐男子でした
私はずっと一人が平気な人間だと思っていた。でも、それは違った。本当はかなりの寂しがり屋で、誰かと一緒に居ないとダメだと思い知った。
そんな私が大切な友達を失ったら、きっと寂しさに耐えらないと思う。だから、私は綾香さんに美咲くんを取られたくはなかった。もう一人ぼっちには戻りたくはないから…。

「ってかさ、そこまで歩くならこの近くにカラオケがあるから、カラオケでもよくないか?」

それも一理あるが、わざわざお店を指定してくるということは、そこではないとダメという拘りがあるのかもしれない。
どこでもいいのなら、適当にその辺のお店を選べばいいだけの話なのだから。

「カラオケって基本、歌うのが目的の場所でしょ?仮にもしカラオケに行ったとして、誰か一人が歌いたくなって、歌ってしまったら話どころじゃなくなる。それは裂けたい。真面目に話したいから」

それも一つの意見である。彼女は逃げ道を消したいのであろう。
本当に話を聞いてくれるかどうかなんて分からないのだから。

「確かにそうですね。さすがに歌いはしませんが、綾香さんがそうしたいのでしたら、私はそれでも構いません」

とにかく早くこの気まずい空気を終わらせたかった。蟠りさえ解消されれば、この人と関わらずに済む。
だから、何としてでも早く終わらせたかったのであった。

「まぁ、そこまで言うなら俺もその店でいいよ。でも、ササッと終わらせたいから、早く店に行こうぜ」

「ありがとう。私の我儘に付き合わせちゃって。それじゃ、お店にご案内致します」

何とも言えない空気の中、私達はお店へと向かったのであった。
< 124 / 615 >

この作品をシェア

pagetop