腐女子がオフ会で知り合ったのは腐男子でした
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綾香さんが連れて来てくれたお店は焼肉屋さんだった。
「話を聞いて貰うお礼に、焼肉を奢らせてほしい」
さすがにただ話を聞いてもらうだけなのに、割に合わないと思いはしたが、ここは彼女のご好意に甘えることにした。
「…仮は作りたくはないが、奢ることで気が済むならそれでいい」
どうやら美咲くんは腹を括ったみたいだ。もうここに来た時点で後戻りなんてできない。仮に割り勘にしたとしよう。そしたら次に会う約束を取り付けられてしまう可能性もある。恐らく美咲くんは次へと繋げたくないのだと悟った。
もしかしたら、綾香さんはとっくに美咲くんの気持ちに気づいていて、だから奢ると提案してくれたのかもしれない。
「茜さんの分もちゃんと奢るので、気にせず食べてください」
ついでに付いてきた私の分まで奢ってもらうのは申し訳ない気持ちではあるが、まぁ、あくまでついでなので、ここは気兼ねなく堂々としていようと思った。
「すみません…。ついでに付いてきただけなのに、私の分まで奢らせてもらっちゃって……」
「気にしないでください。そこの男が一人で来れないのがいけなので」
綾香さん凄い。今から話を聞いてもらう立場なのにも関わらず、美咲くんへのツッコミが鋭かった。