腐女子がオフ会で知り合ったのは腐男子でした
「おい。俺はお前がどうしてもっていうから来てやったんだぞ」

「それなら女の子なんか連れて来ないで一人で来れるぐらいの誠意を見せなさいよ。
それもできやしないくせに、私にあれこれ言わないで頂戴」

いやいや、それはさすがに言い過ぎなのでは…。美咲くんの気持ちだってよく分かる。昔、酷い言葉を言われた相手とサシで話すのなんて、到底無理なことであり、綾香さんの言っていることは一見無茶な事だと思う。
でも、よく知りもしない人を連れてこられた上に、態度が上から目線だったら、話をしたくても話せないとも思う。

「一先ず、二人とも落ち着いて。今はそんなことで言い争っている場合ではないでしょ?」

私の言葉により、二人は冷静さを取り戻したみたいだ。
これはどうやら私が付いてきて正解みたいだ。二人っきりだったら今頃どうなっていたことか。想像するだけでも恐ろしく感じた。

「ごめん。俺、感情的になりすぎてた」

「ううん。私の方こそごめんなさい。話を聞いてとお願いしたのにも関わらず、態度が悪かったと思う」

どうやら綾香さんも根は優しい方みたいだ。それを知れただけでも私は安心した。きっと美咲くんを傷つけたのにもちゃんと理由があると確信が持てた。

「まぁまぁ…。とりあえずお互い様ということで。
あ、すみません。奢ってもらう立場で言うのもあれなんですが、お腹空いたのでまずはご飯にしませんか?」

何としてもこの場の空気を変えたかった。
それにお腹が空いている時はご飯を食べるのが一番だと思う。空腹では話したい話もできやしない。
それならば、一旦気持ちを切り替えるためにも、食事を取るのは大切なことである。
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