腐女子がオフ会で知り合ったのは腐男子でした
綾香さんがこれまでたくさん苦労してきたことは、話しぶりから察するによく分かった。
しかし、それと綾香さんが腐女子であることに関係あるかどうか、まだよく結びつかない。
一体、腐女子を隠してきたこと以上にまだどんなことがあるのだろうか。

「どうやら美咲はお肉よりも先に私の話を聞きたいようね」

これまで頑としても話を聞く体勢に出なかった美咲くんが、ついに話を聞く体勢に入った。
彼なりに覚悟を決めたのかもしれない。きっと今の彼女の発言により、彼女にも隠したい過去があるのだと察したからであろう。まるでかつての自分と重ね合わせるかのように…。

「俺はお前が腐女子であることを隠していたこと自体は別にどうだっていい。でも、俺に対して向けられた言葉は一生許さない。絶対にな…」

「いいよ。一生絶対に許さなくても。許されたいなんて思ってないし、自分でも自分が許せないから…」

ずっと自分を恨み、責め続けてきたのかと思うと、彼女も彼女なりにずっと苦しんできたに違いない。
美咲くんも彼女が許せないし、彼女も自分が許せない。だって過去は取り返しがつかないから。
だからこそ今、彼女が美咲くんに謝罪したいと思ったのかもしれない。この苦しみから解放されるために…。
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