腐女子がオフ会で知り合ったのは腐男子でした
「大丈夫。安心してください。何も取って食ったりしないので」

さっき疑わないって啖呵切ったばかりなはずなのに。
あまりにも男性に免疫がないため、ちょっとした言葉にドキドキしてしまう自分がいた。美咲くんがイケメンなのがいけないんだ。

「それは…ちゃんと分かってるので、安心してください。それに私、そこまで自惚れてないので」

私みたいな女なんか男の人に相手にされるはずもない。
特に美咲くんのような美形男子になんか……。

「茜ちゃんは充分、可愛い女の子だよ。だって俺、初めて会った時、この子凄く可愛いなって思ったよ」

お世辞だと分かっていても、イケメンに言われてしまうとドキドキしてしまう。
分かってる。深い意味はないってことくらい…。

「ありがとう…ございます……」

こんな私にだって彼氏がいたことくらいはある。
でも、もう数年は彼氏がいない。今となっては遥か彼方昔の話である。

「あのさ、もう敬語とか止めない?俺達、歳近いと思うからさ」

それもそうだ。仲良くなると決めたのだから、いつまでも敬語というのはおかしい。
ちょうどいいタイミングなので、敬語で話すのを止めることにした。

「そうだね。これからはフランクに話させてもらうね」

私が敬語を止めた途端、美咲くんは嬉しそうな表情をしていた。
もしかしたら、美咲くんはずっと私が敬語で話すことを気にしていたのかもしれない。
敬語はどうしても、心の壁みたいなものを感じてしまう。
だからこそ、余計に敬語を止めたことが嬉しかったのだと思う。
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