腐女子がオフ会で知り合ったのは腐男子でした
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綾香のアシストのお陰で、途中まで茜と楽しく買い物をしていたが、お互いにそれぞれ欲しい物が違ったため、そのタイミングで別れた。
その後、慣れてきた俺は初コミケを満喫していたわけだが、茜の連絡にも気づかずに没頭していた。
慌てて待ち合わせ場所へ戻ると、見知らぬ男と親しげに離す茜がそこには居た。
「…ほーら、私の言った通りでしょ」
俺より遅れてきた綾香が、悪魔のような囁きを呟いた。
「…ただ道を聞かれて、案内してるだけかもしんねーだろ?」
「いや、さすがにそれはないでしょ。だとしたら、あんな親しげに話すわけじゃない」
確かにそれは一理ある。…って俺だってちゃんと分かっている。
それでも上手く現実を受け入れられないのであった。
「わーってるよ。でも、好きな子が他の男と親しげに話していたら、男は複雑な気持ちになるの…」
綾香ならまだしも、茜のような純粋無垢な子に限ってそんなこと…っていう淡い夢を抱いていた成人男性が、いきなりそんな場面を見せられて、動揺しないわけがなかった。
ここでカッコイイ男ならば、クールに邪魔しに入るわけだがな…。
俺にはそんな余裕なんてなかった。