腐女子がオフ会で知り合ったのは腐男子でした
「私も凄く嬉しい。初めてだもん。こうして推しカプについて語れるの…」

剣魂は普通の少年漫画なので、語れるとしても漫画の内容や好きなキャラについてくらいである。
男女の推しカプについてならいくらでも語れる(一般人は大抵、‪男女で考える)が、さすがにBLカップリングともなると、人によっては地雷原なことが多々ある。
こういった元々作品があったものに腐女子が勝手に妄想し、原作とは違った展開を描く自主制作本のことを同人誌と呼び、それらは大抵、二次創作と言われている。
二次創作ではBLが多いが、稀に男女のカップリングやオールキャラものが存在する。
同じ作品が好きなヲタクでも、考え方は人それぞれ違うので、まずお互いに地雷原ではなかった安心感と同士がいた高揚感に浸っていた。

「俺も語れる人がいなかったら、茜ちゃんと語れて嬉しい。
特に男の方は普通に少年漫画を好きな奴はいても、さすがに男同志で考える奴はいないから…」

確かに男性は普通に少年漫画を好きな人はいても、BLを妄想する人はなかなかいない。
それは女性にも適用されることではあるが、男性の方はゼロに等しいであろう。

「なかなか厳しそうだね…。
でも、これからは私と語れるから、たくさん語ろうね」

最初は美咲さんが美咲くんだったという事実を知り、戸惑いもしたが、今ではそんなことはどうでもよかった。
こうして素敵な友達を見つけられたから。

「茜ちゃんは優しいね。そう言ってもらえると助かる。ちょうど語れる相手が欲しくてさ…」

私もこんなふうに語れる相手がずっと欲しかった。
もしかしたら、美咲くんは私にその一歩を踏み出す勇気を与えてくれたのかもしれない。

「私もちょうど欲しかったの。またオフ会しようね」

美咲くんは笑顔で嬉しそうに、「うん」と返事をしてくれた。
釣られて私も笑顔になってしまった。初めてできた友達が美咲くんで良かったと心の底からそう思えた瞬間だった…。
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