腐女子がオフ会で知り合ったのは腐男子でした
「…もう。あんたはそうやって無自覚天然なんだから」

無自覚天然?どういう意味だ?

「んん?私が?天然なわけないじゃん…」

「天然の人って大体そう言うんだよね」

確かにそうだが、私は絶対に違う。
だって抜けてるところなんてないから。

「私はそんな天然ってキャラじゃないもん…」

「はぁ。とりあえず、今はもうこの話はいいや」

とりあえずは?後日、問い詰められる奴かな?

「イラスト描くの再開するってことは、同人誌も出す予定はあるの?」

まだそこまで具体的なことは考えていない。
そもそも同人誌を描いていた頃の絵のレベルに達することができるかどうかさえも怪しい…。
今はとにかく人様にお見せできるレベルにまで達することが優先だ。

「うーん…。とりあえず、今のところは過去の絵に今の私が追いつくことが優先かな」

「ふーん。なるほどね…」

この確かめに何か意図があるような気がした。一体、何を企んでいるのだろうか。

「あのさ、茜がもし同人誌を出すことになったら、手伝うから頼ってね。
絵は描けないけど、それ以外なら手伝えるからさ」

そう言ってもらえるだけで充分だ。きっと綾香は先程断ったことを気にして、私に気を使ってくれたのだと思う。
私より綾香の方が絵を描きたいはず…。でも、過去のトラウマのせいで描けない。
そんな綾香が私に気を使ってくれたのだから、ここは素直に甘えてみることにした。

「ありがとう。そう言ってくれて。
是非、その時がきたらよろしくお願いします」

それに友達と共同作業をやってみたいと思っていたので、一緒にやれる日がいつか訪れるように、私も少しずつ頑張っていこうと思う。
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