腐女子がオフ会で知り合ったのは腐男子でした
「美咲くん、さすがに何度も奢ってもらうのは悪いよ…」

「悪いなんて思わないでほしい。俺が勝手にそうしたいだけだから」

「でも…、いいの?チケットも奢ってもらったばかりなのに……」

「うん、いいよ。ここは黙って俺に奢らせて」

そんなに強い目で、真っ直ぐに伝えられてしまうと断れない。
ここはお金のことは一旦忘れて、観念して奢られることにした。
ここでずっと押し問答を繰り返しても、時間の無駄だ。
それに素直に奢られた方が、美咲くんも気分良く過ごせると思ったからである。

「美咲くんがそこまで言うのならば、今回もお言葉に甘えさせていただきます…」

「ありがとう。俺の我儘に付き合わせちゃうけど、よろしくね」

我儘といっていいのか分からないが、ここまで来て逃げるのはなんだか嫌だ。
それならば、美咲くんの我儘に付き合う方がいいと思った。

「それじゃ、お店の中へ入ろう。開けるよ…」

美咲くんが扉を開けてくれた。こういった小さな気遣い等は一体、どこで身につけたのか不思議だ。

「ありがとう。助かります」
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