腐女子がオフ会で知り合ったのは腐男子でした


           *


今日の出来事を全て綾香に話した。綾香は最後まで私の話を黙って聞いてくれた。私はそれだけで気持ちが楽になり、少しずつ落ち着きを取り戻していった。

「なるほどね、でも、ごめん。先に謝っておくわ。実は私、美咲の気持ちにはとっくに気づいてたの」

なんとなく先程の電話で察してはいたが、改めて本人の口から聞くと、驚きを隠せなかった。

「そうだったんだ…。知らなかったから、それにも驚いてる」

あれ?でも確か綾香は昔、美咲くんのことが好きだったはず…。
今は彼氏がいるので、その人のことを好きなんだと思うけど、どうやって乗り越えたのだろうか。
やっぱり美咲くんに告白して、気持ちを聞いたということなのだろうか。

「茜が考えてることはお見通しだよ。私が美咲のこと好きだったこと、気にしてるでしょ?」

図星を突かれて、私はドキッとした。考えていることが顔に表れていたみたいだ。

「う、うん。気にしてるというか、今は彼氏がいるからその人のことが好きなんだと思うけど、どうやって美咲くんのことを乗り越えたのかなって」

踏み込まれたくない領域かもしれないけど、美咲くんの気持ちを知ってしまった以上、綾香の気持ちを知らないわけにはいかない。
そうじゃないと、私は前に進めない。綾香のことが気になってしまうから。
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