腐女子がオフ会で知り合ったのは腐男子でした
二人共、楽しい雰囲気ではないということもあり、ブラックコーヒーを注文した。まるで心模様をそのまま写したかのようである。

「畏まりました。少々お待ちください」

そのまま店員さんは、注文したメニューを準備すべく、裏へと消えた。
再び私達の間には沈黙が流れ始めた。気まずい。早くこの空気をどうにせねば。
この空気をどうにかしようと思い、画策していたら、美咲くんが先に気まずい空気を断ち切ってくれた。

「茜。俺は逃げたことも、その場で告白の返事をもらえなかったことも、責めたりはしない。
だから、茜のペースで、茜の正直な気持ちを教えてくれ」

美咲くんの優しさと言葉に救われた。ずっと怖かった。自分の正直な気持ちを伝えることが…。
緊張も相まって、上手く喋れるかどうかも不安で。自分でも分かるくらい、テンパっていた。
私は一旦、深呼吸をしてから、ゆっくりと話し始めた。綾香に話したのと同じように…。

「正直に言うとね、美咲くんのことは好きだよ。
でも、その好きって気持ちの種類が、恋愛としてなのか、それともヲタク友達としてなのか、それが今はまだよく分からない……」

美咲くんの反応が怖くて、顔が見れない。きっと美咲くんはショックを受けているに違いない。
自分の正直な気持ちを話して、美咲くんに嫌われることが怖かった。
こんなことで美咲くんに嫌われるなんて、本当にそう思ってはいない。
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