腐女子がオフ会で知り合ったのは腐男子でした
「まぁ、今日くらいはいいんじゃない?
だって、せっかくの本店デビューという大切なイベントを疎かにするなんて勿体ないじゃん」

BLに例えるならば、恋人同士の初めての夜と同じくらい大切なイベントだ。
そんな大切なイベントにお金を使わないのであれば、一体、いつお金を使うのであろうか。
そんないつかを待つくらいなら、今しかない!と私は思うわけである。
もちろん、人それぞれその時のお財布事情もあるので一概には言えないが…。
美咲くんならきっと大丈夫であろうと思ったからこそ、私は言っただけに過ぎない。

「確かに…。そうかもしれないな。
本店童貞を捧げに来たわけだし、俺も覚悟を決めて挑むわ」

一人のヲタクが更に成長していく姿を間近で拝めた。
私も先輩として、童貞くんに教えてあげられることは背中で語ろうと覚悟を決めた。

「さぁ、その意気だ。いざ行くぞ」

「お、おう…」

先頭に立ち、美咲くんを誘導する。続いて美咲くんも私の後を追う。
しかし、ここで問題が発生した。肝心なことを忘れていたことに今更気づいてしまったのであった。
そうそれは、美咲くんが欲しい漫画のタイトルを聞きそびれたことである。

「ねぇ、美咲くんが欲しい漫画って新刊?それとも既刊?」

まずはそこが重要だ。新刊と既刊で場所が違うからである。

「どっちもかな。とりあえず、新刊を見ておきたい」

それならば、話が早い。私も新刊が欲しくてここへ来たので、新刊からチェックできるのはとても有難い。
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