腐女子がオフ会で知り合ったのは腐男子でした
「茜は俺と飲んでて楽しい?」

まさか質問返しされるなんて思ってもみなかった。
聞かれるまでもなく、もちろん楽しい。でも、それを自分に好意がある男性に素直に答えるのは少し恥ずかしい…。

「もちろん、楽しいよ…」

「嬉しい。俺と一緒に飲むのが楽しいと思ってもらえて」

もうこれ以上甘い言葉のコンボは、私の心臓が()たない。
お願いだから、ここで一旦止めて…と、心の中で叫んだ。

「実は今日、ずっと緊張してたんだ。告白して、一回気まずくなって。告白の返事をもらえたけど、今日のデートに本当に来てくれるか不安で…。
いざ、本当に待ち合わせ場所に来てくれた時、可愛いすぎてドキドキした。もう俺、幸せすぎて爆発しちゃいそうだ…」

もっとすごい甘い言葉の連鎖に、私の心臓の方が先に爆発してしまった…。

「……あの、すごく嬉しいんですが、これ以上はキャパオーバーになってしまうので、そろそろ手加減してもらえると有難いです」

「あ…ごめん。俺ばかりはしゃいじゃって。クリスマスに好きな子とデートできて、浮かれてた。
でも、もう茜を困らせることはしない。今日は…ね。
だから、これから先も隙を見つけては、好きになってもらうために攻めるから、覚悟してて」

攻める宣言をされてしまった。これから先も甘い言葉を囁かれ続けることに、今から身が持たない未来が想像できた。

「え?あ、はい。よろしくお願いします……!」

「やっぱり茜は面白いな。こちらこそ、よろしくお願いします」

もはや、これってお付き合い開始の合図のように感じた。
きっとこれは違う。それでもそんなふうに解釈できてしまうような状況であった。
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