腐女子がオフ会で知り合ったのは腐男子でした
「美咲くん、さすがにエレベーターを待ってる時間はないから、階段で下りるよ」

上る時は極力、エレベーターを使いたいが、下りる時はぶっちゃけどちらであってもさほど問題はない。
とはいえ急いでいるため、あまりゆっくりはしていられない。
コラボカフェに慣れている私の方が、しっかりしなければならなかったのに、ついBLトークに花が咲いてしまい、時間を忘れるという始末だ。
もしかしたら、本当は私の方がはしゃいでいたのかもしれない。こんなふうに誰かと楽しくBLトークをしたことが今までなかったので、つい舞い上がってしまった。

「そうだな。階段で行こう」

この大型アニメショップでは、階段やエレベーターにも凝っている。
例えば、階段を上手く駆使してコラボ作品の展示や、エレベーターの扉がキャラクターのイラストになっていたり、エレベーターに乗っている最中にはキャラクターの声でアナウンスが流れたりもする。
あとでじっくり眺めたいので、コラボカフェが終わった後、もう一度訪れる際には、階段で上り下りするのもありかもしれないと思った。

「階段もすげーんだな。今は時間がねーからじっくり見てらんねーけど」

「なら、後でまた来ようよ?私もちゃんと見たいし」

「いいの?じゃ、そうさせてもらえると助かる」

今日だけでたくさんの約束を交わした。たったそれだけのことなのに、私の心は躍った。
これから先もこんなふうに約束が増えていくことを願った。
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