腐女子がオフ会で知り合ったのは腐男子でした
正直、ノベルティーが一番緊張している。
いつも購入する側でいる時は、特典を付けて頂いて嬉しいなという気持ちが大きかった。
でも、いざ作り手側に回ると、大丈夫かな?喜んで頂けるかな?という不安な気持ちの方が大きい。

「茜、まずはリラックスして。大丈夫。茜のTwitterのフォロワー数なら、絶対に完売できるから」

先輩が優しく背中をさすってくれた。
先輩の優しい手により、私の心の緊張はゆっくり解けていった。

「ありがとうございます。実は本より、ノベルティーの方が心配で…」

「ノベルティーって、よく分からないわよね。
本も本で心配だけど、ノベルティーの方が正直、求めているものが分からないし」

「そうなんですよ。勢いで作ったものの、これでよかったのかなと思っちゃいまして…」

「私も毎回、ノベルティーは不安になるよ。多分、作り手って毎回そうなんだと思う」

先輩のような大物でも、こうやって試行錯誤しているんだなと思った。

「壁サークルさんだって、きっと同じ。前回売れたからって、次も売れる保証なんてないし、同人ってあくまで自己満足の世界だから、売れるも売れないも自己責任なのよ。基本的に損しかない世界なのよね。
その中でも、この世界で成功している人もいる。シビアな世界だからこそ、一人一人の要望に応えようと思ったら、茜の許容範囲を越えちゃう。
大事なのはね、自分が作りたいと思う物を作れたかどうか。茜、これは茜が作りたいと思った物?」
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