腐女子がオフ会で知り合ったのは腐男子でした
私が美咲くんを振り回してる…って?それはない。
寧ろ振り回されているのは私の方だ。いつもあんなに甘い言葉を囁かれているのだから。

「そうね。美咲ぐらい分かりやすい人の気持ちに気づかない鈍感っぷりは、天然すぎるにも程があるわよね」

「私も恋愛には疎い方ではあるけど、さすがに見ててすぐに分かったよ。
こんなに良い子で、まっすぐな子、なかなかいないし」

確かに美咲くんのような、とても素敵な人はいない。
しかし、何故か論点がズレ始め、矛先が美咲くんへと変わった。

「ですよね?二人共まっすぐすぎるというか、見ていて歯痒いんですよ。
焦れったすぎるので、早くくっつけ!って密かに思ってます」

「綾香ちゃん、右に同じく。
…本当、いつまで焦れったくいるつもりなのかしらね?」

「ですね。でも、青春アニメを見ているみたいで、こちらとしては微笑ましくもありますけどね」

「そうだね。暫くは温かく見守っていようね」

「ですね。…あ、LINE交換しませんか?二人の恋を見守り隊ってことで」

「いいね!そうしましょ。
…でも私、やり方がよく分からないから、スマホを渡すのでよろしくね」

「はい!任せてください!」

散々、人に肝が据わってると言ってた人が、一番肝が据わってるような気がするのは気のせいだろうか。

「ねぇ、綾香の方が肝が据わってると思わない?」

「同感。あいつが本当に一番図々しい…。
そして、それを自覚した上で上手くやり過ごしてるのがずる賢い…」

「美咲、聞こえてるわよ。あんたは寧ろ自分がイケメンだっていう自覚がない上に、甘え上手だから、ある意味女泣かせよ。
それで何人もの女が落ちて、悲しい想いをしたか…」
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