腐女子がオフ会で知り合ったのは腐男子でした
「すげー混んでるな。同人イベントの凄さ、なめてたわ」

「そうね。まぁ、今回、幸子先生やSNSで話題の人が多く参加してるからね」

「確かに。その中に自分の友達がいるって、自分のことのように誇らしく思うよな」

「その本人は、あまり自覚がないみたいだけどね」

「過小評価し過ぎなんだよ、茜は。あんだけ絵が上手いんだから、そのまま続けてたらもしかしたら、プロになってたかもしれないよな」

「そしたら今頃、茜と知り合えなかったと思うし、幸子先生ともお近づきになれなかったかもしれないよ?」

「それでも、茜のイラストと漫画を見たら、そう思わずにはいられないだろう。
俺、絵のことはよく分からないし、無責任なことは言えないけど、きっと俺らが想像してるよりも、絵の世界って厳しいのかもしれない。茜レベルの上手い人達がたくさんいるんだと思う。
だけど、茜だって負けてねー。本人にプロになる意識や覚悟がなかったとしても、俺は茜がプロだって思ってる。自分の時間を削って、やってるんだからな」

すると、綾香が優しく微笑みながら、こう言った。

「そうね。絵の上手さだけじゃなく、覚悟も含めてよね」

俺は自分の気持ちがちゃんと伝わったことが、とても嬉しかった。

「そう。覚悟も含めて。だから、俺は本人が望んでないとしても、覚悟はもうプロだって思ってる」

「私もそう思う。きっと身近にプロがいる影響もあるだろうし、茜自身が常にそういう覚悟でやってるんだと思う」
< 529 / 600 >

この作品をシェア

pagetop