腐女子がオフ会で知り合ったのは腐男子でした
*
そして、女子会から早数日…。美咲くんと会うことになった。私のお家でデートすることになった。
これは自分の気持ちを伝える、絶好のチャンスだ。
タイミングを見計らって伝えてみようと、心の中で密かに作戦を立てる。
「茜、見たいアニメがあるんだけど、いい?」
なんて頭の中で考えていたら、不意に話しかけられた。
私は慌てて取り繕い、美咲くんの問いに答えた。
「いいよ。見よっか」
恋人としての時間よりも、ヲタクとしての時間を優先されてしまった。
しかも私も気になっているアニメ。ここは一旦、ヲタクの時間を優先することにした。
「それじゃ、再生するね」
全部で十話…か。まだ放送途中なので、完結していないが、とりあえず、見れるところまで見てみることにした。
この作品を見終えたら、伝えてみようと思う。
まずはリラックスも兼ねて、この作品を見るのに集中した。
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さすがに全話は見ないと思っていた。見る前までは…。
しかし、見始めると、止まらなくなってしまい、最後まで見てしまった。
「注目作なだけあって、すげー惹き込まれて、面白かった」
「そう…だね。面白かったね」
チャンスを失ってしまった。どうしよう。今、伝えないと、ずっとこのままは嫌だ…。
雰囲気とかもう気にしていられない。そんな余裕は、今の私にはなかった。