腐女子がオフ会で知り合ったのは腐男子でした
「こちらこそ。電話もらえて嬉しかった」

美咲くんとは、あまり電話をしない。ちょっとした遠距離みたいなものなので、本来ならもう少し電話をしてもいいのだろうが、お互いに電話をするという文化がない。
だからこうして、時々電話する程度で。電話で話した方が早い要件だけ電話をするといった感じだ。
世の恋人達は、もう少し電話するのかな?私達が電話しないだけなのかな?たまにはこうして電話をするのも悪くない。時々、電話で話そうかなと思った。

「…また電話してもいい?」

美咲くんは電話をするのが好きじゃないかもしれない。私も今まではそうだった。
でも、相手が美咲くんだから、また電話をする口実が欲しいと願った。

「いいよ。俺も電話してもいい?」

聞き返されるなんて、思わなかった。美咲くんもまた電話したいと思ってくれている気持ちが嬉しくて。すぐに答えた。

「うん、いいよ。電話かけてきてほしい」

一方的にこちらばかりがかけるのではなく、相手からもかけてほしいと望んでしまう。
それは美咲くんもきっと同じ気持ちで。恋愛をすると、人はこんなにも欲張りな気持ちに支配される。どんどん肥大化していき、止まらない。いつか留まる日は訪れるかもしれない。今はまだコントロールは不可能で。ずっと暴走している状態だ。

「分かった。それじゃ今度は俺からかけるので、その時はよろしく」

その未来が近いことを願い、今から待ち侘びているのであった。

「うん。待ってる」

その後も少しの間、軽く雑談を交わした。なんだかんだ長電話になってしまったため、キリのいいところで電話を終えた。
好きな人と少しでも話せたので、幸せな気持ちで胸がいっぱいになった。
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