腐女子がオフ会で知り合ったのは腐男子でした
「…茜、いいか?」

何かとは言わずとも、何をしたいのかすぐに察した。鈍感な私でも…。

「いいよ……」

ゆっくりと顔が近づき、触れるだけの軽いキスをした。
いつもならここで終わるか、或いは何度も軽いキスをする展開になる。
でも、今日は違った。少しの沈黙が流れた後、美咲くんがいつもと違うキスをしてきた。
最初は驚いたが、私は美咲くんのキスに応えた。熱い衝動に駆られ、どんどん激しくなっていった…。
ずっと激しいキスだけしてこなかった。敢えて避けてきたわけじゃない。
ただ意識しすぎて、恋人らしいことができなかっただけだ。
ようやく更に大きな一歩を踏み出した。頭がぼーっとし始めた頃に、突然キスが止まった。
私は突然のことに、戸惑いを隠しきれなかった。
そんな私を察して、美咲くんが先に口を開いた。

「ごめん。これ以上はまずい…」

「どうしてまずいの?」

キスして冷めちゃったとか?それはさすがにないか。
それじゃどうして?状況が読めない私に、美咲くんが優しく答えてくれた。

「アレを持ってないから、ダメなんだよ」

アレ…って?こういうことに久しぶりな私は、リアルに対応できないのであった。
BLなら、いくらでも対応できるというのに…。

「あの…、アレって……?」

「コンドームのことだよ。コンドームがないと、赤ちゃんができちゃうから。今、赤ちゃんができたら、茜は困るでしょ?」
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