腐女子がオフ会で知り合ったのは腐男子でした


           *


家に来る前に、薬局に寄ってから帰宅した。そう。アレを買うために…。
アレをちゃんと購入したので、今夜はついに一線を越えてしまうということだ。
もうダメだ。アレのことを考えただけで、頭からつま先まで真っ赤になってしまう。
恥ずかしい。早くこの空気をなんとかしたい。そう思い、まずは今日のライブについて話すことにした。

「今日のライブ、楽しかったね。本当、早く円盤が欲しいよ」

…なんて呑気に話しかけても、お互いに意識は全く違う方向に向いているのであった。

「そうだな。早く欲しいな」

そのせいで、会話がぎこちない。もう会話なんて、どっちでもよくて。
どうやって、甘い展開に流れを持っていこうか、頭の中はそのことでいっぱいだ。

「…茜」

甘く掠れた声で名前を呼ばれた。これはキスの合図だ。
それが分かるくらいには、たくさんキスをしてきた。
いつもならまず、優しいキスをするのだが、今日は違った。
いきなり激しいキスをしてきた。そのせいで、息がどんどん上がっていった。
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