腐女子がオフ会で知り合ったのは腐男子でした


           *


スタートして数時間後…。既に人の多さに疲弊していた。
前回、先輩と参加した時に、思ったよりも人の多さに驚いたが、今回はその時の倍の人数で。正直驚きを隠せていない。
このままの勢いなら、思ったよりも早く完売しそうだ。こうして、自分のブースに足を運んでもらえるだけで、本当に嬉しい。

「あの…、秋希(あき)さんですか?」

秋希とは、私がSNSで使用しているペンネームだ。
主に創作活動で使用している名前で。ヲタ活としては、普通に本名の茜を使用している。

「はい。そうです」

「お会いできて光栄です。いつもSNS拝見させて頂いてます。
新刊を楽しみに、コミケに参加しました。あと既刊も。まだ残ってますか?」

「残ってますよ。どちらも一部ずつで大丈夫ですか?」

「はい!一部ずつでお願いします」

一部ずつ手渡しし、お金をもらった。
その瞬間、とても嬉しそうな顔をされた。

「頑張ってください。応援してます!」

一言告げて、その方は去ってしまった。
次々と人が入れ替わり、一言コメントを残していく方もいれば、何も言わずに買っていくだけの方もいる。

私もどちらかといえば、何も言わずに買っていくだけの人なので、大半の人はそうなのであろう。
でも、同人活動を始めて、こうやって何か一言伝えてくれる人がいることの有難みを感じた。
もし、自分も伝える機会があったら、伝えてみようと思った。
< 639 / 950 >

この作品をシェア

pagetop