腐女子がオフ会で知り合ったのは腐男子でした
「それならいつもより人の目を気にせずにグッズが購入できるね…」

今日はなんだかおかしい。胸の動悸と高鳴りが抑えられない。
会うのがこれで二回目ということもあり、まだ緊張が解けていないのかもしれない。
それもそうだ。既にもう完全に打ち解けている方が不自然である。
男性経験が浅い私でも、いつしか慣れていき、一々美咲くんの言動に振り回されなくなる日が訪れるかもしれない。
だからこそ、こういったことは徐々に慣れていけばいいだけの話である。

「そうだな。安心してきた。茜ちゃんのお陰で」

美咲くんはたまたま腐男子であることを受け入れてくれたのが私で、しかもお仲間だからに過ぎない。
きっと私以外の他の誰かが受け入れてくれていたとしたら、その人にも同じ言葉をかけていたと思う。
少しモヤッとした。誰でもいいわけじゃないと思う。
でも、私が特別というわけではない事実に少し胸が痛んだ。

「整理券番号801番でお待ちのお客様…」

そんなこんなんでもうグッズを買う番が回ってきた。
今からグッズを買う楽しみがあるのだから、今はネガティブなことは考えないようにしておこう。

「美咲くん、私達の番が回ってきたから買いに行こ?」

やっぱり私には考え事なんて向いていない。
明るく元気にヲタ活をするのが私らしいと思う。
だから、美咲くんが私の傍に居てくれればそれでいいと思うことにした。

「お、おう。行こう」

さぁ、いよいよ推しを自引きできるかどうかの戦いが始まろうとしていた…。
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