腐女子がオフ会で知り合ったのは腐男子でした
「美咲くん、この後どうする?」

私としては、欲しかった新刊を無事に買えて大満足なので、ここは池袋初心者の美咲くんの意見を優先したい。

「とりあえず、またアニメイトにも行きたいんだけど、乙女ロードに行ってみたい」

誰しもが憧れる乙女ロード。せっかくなので乙女ロードに行ってみることにした。

「いいね。乙女ロードに行って、グッズや同人誌、欲しくてもなかなか手に入らない廃盤の漫画やドラマCDとかも置いてあるから見に行こう」

乙女ロードは比較的に現在地から近い。
ぶっちゃけ大型アニメショップが今、一番近いわけだが、時には寄り道も必要なのである。

「まじか?お宝が眠ってるのか」

「眠ってはいるけど、えげつない額だったりするよ」

「えげつない額って?」

「人気商業漫画家さんの同人時代の同人誌とかが万単位で売ってたりするかな」

同人誌だけに限らず、人気シリーズの廃盤漫画なども定価より高く買取られていたりもする。

「万単位?それでもなかなか手に入らないことを考えたら安いもんか…」

足を踏み入れる前から既にもう美咲くんは、魔の手に堕ちてしまっていた。

「その感覚は既にもう…帰って来れないところまでどっぷり沼に浸かってるね」

「まぁな。それよりも早く案内してくれ。お宝を早く見たい」

気のせいかもしれないが、先程のコラボカフェよりも美咲くんが生き生きしているように感じた。

「はいはい。道案内は任せてよ」

この余韻にいつまでも浸っていられると思った矢先の出来事であった。
冷たい風は突然吹き込み、人を冷静にさせてくれる。
それは私よりも…彼の方であったわけだが。
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