腐女子がオフ会で知り合ったのは腐男子でした


           *


休日二日目…。綾香は土曜日の夜も泊まった。
まだ二日しか泊まっていないから、そこまで心配していないが、これが何日も続くとなると、さすがに心配になってくる。
何れはきっと帰る。…とは思うが、それがいつになるかは分からない。
大切な人であればあるほど、話し合いをするのが怖くて。逃げ出したくなるものだ。
綾香は今、そういう心境なのかもしれない。私はそんな綾香を優しく抱きしめてあげたいと思った。

「美咲、茜。私、家に帰ることにした」

突然、宣言された。覚悟を決めたみたいだ。
少し心配だが、本人がそう決めたのであれば、背中を押したいと思った。

「そっか。分かった。また遊びに来てね」

「うん。ありがとう。もしかしたら、すぐにまた遊びに来ちゃうかもしれないけどね」

覚悟は持ったが、まだ不安は拭えない。
それでも、向き合うと決めた綾香の心の強さを、私はカッコいいと思った。

「大丈夫だろ。ちゃんと話し合えると思うぞ」

同じ男として、彼氏さんの気持ちを踏まえて、綾香の心の不安を取り除くために、美咲くんは綾香の背中を押した。

「うん。私もそう思ったから、帰ることにしたの」

その言葉を聞いて、私達は心から安心した。
これでもうこの件は、大丈夫な気がした。

「そっか。頑張ってね」

「うん。頑張る」

そして、綾香は本当に帰った。
ちょっぴり寂しく感じたが、綾香と彼氏が良い方向に進む未来を願った。

「次にアイツに会う時、良い報告が聞けるといいな」

どうやら、美咲くんも同じことを考えていたみたいだ。二人でそう願った。

「だね。さて、今から何します?」

「うーん、そうだな。せっかくだし、どこかへ出かけますか」

こうして、嵐は過ぎ去り、平穏を取り戻したのであった。
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