腐女子がオフ会で知り合ったのは腐男子でした


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そして、数日が経過し、竹宮さんとの打ち合わせの日を迎えた。
ドキドキしつつも、私はウキウキしていた。今はすぐにでも原稿を読んでもらい、感想をもらうのが嬉しかった。
実はもう原稿は事前にデータで送っているので、既に読んでもらってはいる。
なので、電話で話を済ますこともできるが、やっぱり直接会って話がしたい。その方が竹宮さんの表情まで分かるから。
声色で相手の感情もある程度は分かるが、それは音声のみの感情であって。全ての感情は汲み取れない。
今の私にはまだそれが怖い。竹宮さんとの信頼関係を築き上げている最中だから。
もちろん信頼はしている。良い担当さんに付いてもらったなと感謝している。
それでも今は、まだ知り合ったばかりなわけで。こういった顔を合わせることを重ねていき、関係値を築き上げていきたい。

だから今の私は、竹宮さんに会えるのが楽しみで仕方がなかった。
ゆっくり関係値を築き上げていき、信頼関係が出来上がることを望んで…。
一先ず、時間に間に合うように身支度を整え、家を出た。ちゃんとタブレットも忘れずに。
このままずっと読み切りだったらどうしよう…という焦りもある。
今、描きたいもので溢れている。一作品でも多く世に作品を発表したい。
その気持ちが先行し、焦っていると自覚している。先輩みたいになれるのはまだまだ先なことも。
頭ではそう分かっていても、描きたい意欲が高まっている今の私には、心が追いつけなかった。
そんな不安も抱えたまま、私は出版社へと赴いた。
いつも通り、受付の人に声をかけてから、ロビーで竹宮さんを待った。
待つこと数分後、竹宮さんがやって来た。
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