腐女子がオフ会で知り合ったのは腐男子でした
「ただいま…」

幸い今日は、美咲くんの帰宅時間が早かったため、まだ夕飯の支度がどうにかなる。
慌てて立ち上がり、美咲くんの元へと向かった。

「おかえり。ごめん。まだ夕飯の支度ができてなくて…」

夕飯どころか、お風呂の準備もできていない。先に帰ってきておきながら、何もしていないなんて不甲斐ない。
漫画を描く前に、もう少しだけ家事をこなしておけばよかった。そうすれば、美咲くんに負担をかけずに済んだのに…。

「大丈夫だよ。茜は茜でちゃんと働いてたんだから。二人で一緒にやろう」

いつもこうやってたくさん甘やかしてくれる。私の仕事に対する理解も深い。
もうこの人じゃないとダメだ。この人が私の旦那でよかったと、何度思ったことか。
よく聞く夫婦のいざこざは、私達夫婦の間に今のところはない。この先もあるようでないと思う。
その優しさに胡座をかくつもりはないが、未来に不安を抱き過ぎて、変にネガティブになる必要はない。
私は美咲くんだからこそ信じられる。美咲くんだから信じて甘えたい。

「そうだね。そう言ってくれてありがとう」

支え合っていけばいい。夫婦なんだから。

「それじゃ、少しゆっくりしてから、夕飯を作ろっか」

スーツの上着を脱ぎ、シャツの袖を捲る。もう既に順位万端みたいだ。

「お!やる気満々だね」

私も美咲くんの真似をし、袖を捲った。
一旦、漫画のことは忘れることにした。気分転換も大切だ。

「お?そっちもやる気ですね」

こうやってお互いに軽い冗談を言い合い、楽しく一緒に過ごす時間が大切だ。
こういう時間があるからこそ、私は真剣に漫画と向き合える。

「やる気満々だよ。美咲くんと一緒に料理できるの、嬉しいから」
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