腐女子がオフ会で知り合ったのは腐男子でした
「大したお構いはできないけど、よかったらお茶とお菓子をどうぞ」

私が差し出すと、綾香は、「ありがとう、いただきます」と言ってから、お茶を一口飲んでくれた。
私と美咲くんは黙って綾香の様子を見守っていた。これから綾香が話し出すかもしれない。その内容が一体、どんな内容なのか、話を聞く前に身構えてしまう。

「今日は本当に急なお誘いにも関わらず、応じてくれてありがとう。いつも二人にはお世話になりっぱなしだね。いつかこのお礼は必ずするので。まずはその前に私から二人へご報告がございます」

ご報告…。前向きな報告なら、きっと彼氏と結婚ということであろう。
後ろ向きな報告なら、彼氏と別れた…。あまり考えたくはないが、その場合も否定できない。
できれば前者であってほしいが、綾香の様子がいまいちどっちなのか分からないので、言葉の続きを聞くまで緊張してしまう…。

「実は私、少し前に彼氏と別れました」

まさかの嫌な予感が的中した。そうであってほしくはなかったけれど、二人が決めた結論なら、私達にあれこれ言える権利はない。

「そう…だったんだ。どうして別れたの?」

「別れた理由を話す前に、もう一つ報告があるの。実は看護師も辞めて、転職して、今は別のお仕事に就いてて…」

驚きの連続だ。会っていない間に、まさかそんなに大きな動きがあったなんて。人生が丸っと変わるような出来事の連続だ。

「え?転職もしてたの?綾香、すごいね。色々環境が変わったんだね…」

「実はそうなの。そのことも報告したくて。時間作ってもらいました」

思っていた展開と違ったが、なんだか話したいことがたくさんありそうだ。

「それで、お前はどうして彼氏と別れて、転職もしたんだ?その理由を教えてほしい」

美咲くんが一気に踏み込んだ。美咲くんは綾香に対して遠慮がない。元恋人同士…ということもあるのだろうが、今の二人は心から信頼できる友達同士だからこそ、遠慮がないのだと思う。
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