腐女子がオフ会で知り合ったのは腐男子でした
過去の記憶なんて曖昧なものだ。ちゃんとやったつもりでいて、実はやった気になっていただけなんてことはよくある。

「そっか。まぁ、そこら辺は曖昧でよく分からないことだよね。
それで、えっとどのタイミングで押し入れを見られちゃったの?」

「確か俺がお茶菓子を取りに行っている間に、押し入れを開けられちゃって。
それで俺がBL本を所持していることがバレて、腐男子は嫌い、生理的に無理って言われてフラれて。
それからずっと気まずくて、そのタイミングで席替えが決まって、席が離れたことによって俺達の距離はどんどん離れていき、そのまま何事もなく別れたって感じだな」

なんとも言えない別れ方である。切なすぎて涙が溢れ出ることすらなかった。

「なんだか胸が痛む話だね。聞いてて胸が苦しくなったわ」

「だろ?マジで辛かったわ。友達にしつこく何で別れたの?なんて聞かれる始末だし。
ま、向こうは別れてすぐにササッと新しい彼氏を作ってたけどな」

そういう切り替えの早い女はたまにいる。
切り替えの速さも大切だが、あまり速すぎるのもどうかと思われる。

「そうだったんだ。とりあえず、話が聞けてよかったよ。
美咲くん、私に話してくれてありがとう」

「いや、お礼を言うのは俺の方だよ。こちらこそ俺の話を聞いてくれてありがとな」
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