腐女子がオフ会で知り合ったのは腐男子でした
「ただいま…」

美咲くんが帰ってきた。心臓がドキッとした。今から大事な話をしなくてはならないから。

「おかえりなさい。美咲くん、今日も一日お疲れ様」

「ありがとう。茜もお疲れ様」

優しい美咲くんはいつも通り、労いの言葉をかけてくれた。
普段ならその言葉が身に染みるくらい嬉しいが、今日は緊張しているので言葉がまっすぐに入ってこない。
何て切り出そう。今、話をしても大丈夫だろうか。どのタイミングで切り出せばいいのか分からない。

「茜?何かあったのか?」

さすが美咲くんだ。私の様子が変なのを察して、美咲くんの方から話を振ってくれた。
私は今がこのタイミングだと思ったので、話を切り出し始めた。

「あのね、私、これを機に書店の仕事を辞めようかなって考えてるの」

いきなり辞める…とだけ伝えられても、美咲くんも困るであろう。ちゃんと職場の様子も伝えなければならない。
漫画家として今、大事な時期なので漫画だけに集中したいというのも本音だ。ただそれだけが理由じゃないということだけは美咲くんには分かってほしい。
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