腐女子がオフ会で知り合ったのは腐男子でした


           *


「ただいま…」

私が帰宅すると、美咲くんは夕飯の準備をしながら待っていた。

「おかえり、茜。今日の夕飯はビーフシチューだよ」

匂いだけで既に美味しそうだ。今晩の夕食が楽しみだ。

「やった。ビーフシチューだ。楽しみ」

「そういうと思ってた。楽しみに待ってて」

夕食の前に話しておきたいことがある。今すぐにでも伝えてしまいたい。この前、傷つけてしまった分も含めて…。

「美咲くん。夕飯の前に話しておきたいことがあるの」

「どうした?料理しながらでいいなら話を聞くよ」

きっと話を聞く前から、美咲くんは私が何を話したいのか分かっていた。
でもその答えが前向きな答えとは知らないからこそ、敢えて自分の気持ちを押し付けないようにするために、料理をする手を止めずに話を聞くことにしたのであろう。
私は一旦、深呼吸をしてから話し始めた。ちゃんと自分の気持ちを伝えるために。

「この前のことなんだけど、ごめん。私、自分の気持ちしか見えてなかった」

「いいよ。もう気にしてないから」
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