妹に代わり泉に身を投げた私、湖底の街で愛を知る 〜虐げられた私が幸せを築くまで〜
第41話 決着
その時、何かに弾かれるような……大きな音が鳴り響く。
何が起きたのか分からず前を確認すると、公爵は傷を負ったらしく、右手が赤くなっている。
「痛い……いだい……!」
半開きの口からは涎が垂れていく。公爵は痛みを逃がそうと、左手で手首を握っているが……効果はないらしく、目からは涙も溢れ始めていた。
夫人とリリスは公爵の惨劇に青褪めている。
「何が起こったの……?」
転げ回る公爵に声を掛けることもせず、二人は呆然と彼を見つめている。
「ねえ、お母様。首飾りをしていれば……魔術は効かないんじゃなかったの?」
「ええ……そのはずよ……」
二人は商人の言葉を思い出す。あの男は言っていた。「すべての攻撃魔術から身を守れる」と。
「じゃあ、なんで……なんで効いてるの?」
リリスの言葉に、夫人は黙り込む。目の前では公爵の悲痛な叫び声が、響き渡っている。
一方で、私も驚きから目を見開いていた。どうやら、この首飾りには保護の魔術が掛けられているようだ。きっとアダン様が込めてくださったのだろう。私は飾りを胸の前で握りしめる。気のせいかもしれないがそれはまるで私の緊張を溶かすように、ほんのりと温かく感じた。
私の顔に自然と笑みが浮かぶ。そんな私の表情が目に入ったのか、リリスは声を荒げた。
「お母様! あいつがお父様を攻撃したのではありませんか?」
その言葉を聞いて、夫人は私をキッと睨みつける。
「実の父親に対してなんという酷い仕打ち! 優しく声をかけてあげれば、つけあがるのもいい加減に……?!」
怒りのまま手を振り上げ、近づいてくる夫人。王国にいる時は、暴力という折檻が怖かった。普段であれば逃げようとしていただろう。けれども、今回は……その場に留まり、眉を吊り上げて夫人を見据える。
何が起きたのか分からず前を確認すると、公爵は傷を負ったらしく、右手が赤くなっている。
「痛い……いだい……!」
半開きの口からは涎が垂れていく。公爵は痛みを逃がそうと、左手で手首を握っているが……効果はないらしく、目からは涙も溢れ始めていた。
夫人とリリスは公爵の惨劇に青褪めている。
「何が起こったの……?」
転げ回る公爵に声を掛けることもせず、二人は呆然と彼を見つめている。
「ねえ、お母様。首飾りをしていれば……魔術は効かないんじゃなかったの?」
「ええ……そのはずよ……」
二人は商人の言葉を思い出す。あの男は言っていた。「すべての攻撃魔術から身を守れる」と。
「じゃあ、なんで……なんで効いてるの?」
リリスの言葉に、夫人は黙り込む。目の前では公爵の悲痛な叫び声が、響き渡っている。
一方で、私も驚きから目を見開いていた。どうやら、この首飾りには保護の魔術が掛けられているようだ。きっとアダン様が込めてくださったのだろう。私は飾りを胸の前で握りしめる。気のせいかもしれないがそれはまるで私の緊張を溶かすように、ほんのりと温かく感じた。
私の顔に自然と笑みが浮かぶ。そんな私の表情が目に入ったのか、リリスは声を荒げた。
「お母様! あいつがお父様を攻撃したのではありませんか?」
その言葉を聞いて、夫人は私をキッと睨みつける。
「実の父親に対してなんという酷い仕打ち! 優しく声をかけてあげれば、つけあがるのもいい加減に……?!」
怒りのまま手を振り上げ、近づいてくる夫人。王国にいる時は、暴力という折檻が怖かった。普段であれば逃げようとしていただろう。けれども、今回は……その場に留まり、眉を吊り上げて夫人を見据える。