妹に代わり泉に身を投げた私、湖底の街で愛を知る 〜虐げられた私が幸せを築くまで〜

第43話 告白

 セファーさんの言葉に、全員が安堵をしたようだ。隊長であるエルマーさんが一言。

「それなら問題ないな。あとで話を教えてくれ」
「オッケー!」

 そう言って、セファーさんは楽しげに去っていく。そして警備隊の皆も三人を連れて、部屋を出て行った。最後に残ったエルマーさんは、アダン様に視線を送る。

「じゃあ、良い時を!」

 そう告げたエルマーさんもあっという間にいなくなり、部屋には私とアダン様の二人だけが残された。あまりの早技に私は呆然とする。
 

 
 扉の閉まる音が耳に入ったと思えば、室内は静寂に包まれる。三人が来る前には聞こえていた喧騒すら、聞こえなかった。それはまるで私とアダン様が二人だけ、この世界に閉じ込められたように感じて――

 そんな雰囲気に浸っていた私の横で、アダン様が身体を僅かに動かす気配が見て取れる。彼は私に向き直り……そして寄り添う。
 私は無意識に彼の方へ顔を向けると、目の前にはあの美しい顔が。

 まるで静止の魔術に掛かってしまったように、私はアダン様の視線から目を離すことができなかった。

 窓から入る柔らかな風が頬を撫でる。
 普段はくすぐったく感じるソレですら、私は何も感じない。

 聞こえるのはアダン様から聞こえる微かな呼吸の音と、私の早まる鼓動の音。
 
 ――そして私の目前を占めているのは、私を案じているアダン様の瞳。

 彼の目を見ていると、安心する。
 だって、こんなにも、雄弁に語っているではないか。

 彼の瞳に魅了され、呑み込まれそうになった時……。
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