妹に代わり泉に身を投げた私、湖底の街で愛を知る 〜虐げられた私が幸せを築くまで〜

第45話 犯罪者の帰還

 女神祭が無事に終わり……私たちは今までの生活に戻っていた。
 ひとつ違うことといえば、元家族の存在である。

 現在執務室にはエルマーさんが訪れ、彼らからの聞き取りについて、アダン様へと報告されていた。私も当事者だから聞かせてもらっている。

「つまり、王家から『聖務者の入れ替え』について責められたあの者たちが、得体の知れない商人の口車に乗せられた、というわけか……」
「はい、狙いはエーヴァ嬢と我が国の魔道具とのことです」
「……愚かなことだ……いや、すまないエーヴァ」

 無意識に声に出ていたからだろう。アダン様は私に謝罪を告げてくるが……。
 
「いえ、彼らが愚かであることは変わりありませんから。それに彼らとの縁は切りましたので、気にしませんよ」

 ……もう、彼らと私が関わることは、ないのだから。
 私の笑みに、アダン様は安堵したらしい。私に向けて軽く微笑んだ後、エルマーさんへと言葉を投げる。

「ちなみにその商人の名前は?」
「娘曰く、『ベルナド』という者だそうですが……該当者はおりません」
「そうか……まあいい。それであの者たちを送り返す話はどうなった?」

 顎を手で触れたアダン様は、気を取り直したのか次の質問をエルマーさんに投げかける。
 そういえば、あの時セファーさんがそんな話をしていたことを思い出す。

「セファー様に確認を取ったところ、女神デューデ様のお力を借りて泉の前へ送り返す手筈となりました。日時は三日後の正午、すでに王国側にも神託が下されているとのことでした」
「そうか、こちらからは私が向かおうではないか。あとはエルマーともう二人、警備隊から用意を」
「御意」
 
 話は終わったのだろう。エルマーさんは頭を下げると、そのまま部屋を出ていく。
 三人が地上へと戻される。そのことについて、静かに物思いに耽っていると、心配そうにこちらを見ているアダン様の姿が目に入った。

「大丈夫か?」
「あ、はい。大丈夫ですよ……あの、アダン様……」
「どうした?」
 
 途端にこちらに近づいてくるアダン様。以前の事件から、一気に距離が近くなっただけではなく……過保護になっているような気がする。アダン様が私の隣にやってくると、私は意を決して声を上げた。

「私も付いていくことはできますか?」
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