妹に代わり泉に身を投げた私、湖底の街で愛を知る 〜虐げられた私が幸せを築くまで〜
「どうしたんだ?」
国王が教皇へと声を掛ける。色に何か意味があったのだろうか……国王含めて王族皆が首を捻ったその時。
「赤色は、偽者……という意味だそうです」
「偽……者……?」
「はい。飛び込んだ彼女は予言で挙げられた聖務者ではない可能性があります」
教皇の言葉に、全員が息を呑む。
それを意味することはひとつ……水の加護を得ている女神デューデ様の神託を無視した、と言うこと。そして公爵家が王家と教会を欺いたということ。
全員の表情が一斉に険しくなる。
それは見抜くことができなかった自分たちに向けたものなのか、公爵家に対する憎悪なのか……それは分からない。
部屋を静寂が包んだ後、目尻を上げた国王が一度だけ手を叩く。すると、彼の後ろに現れたのは、教皇達が身につけた黒いローブよりも、更に闇に紛れることのできる黒色のローブを着用した男。顔は見えない。
国王のみの指示を聞き、動く暗部の頭だった。
「グレイザント公爵家を調べてこい」
「御意」
一瞬のうちに消え去る男。最初はそれに呆然としていた教皇だったが、自分の話を信じてもらえたと理解し、頭を下げた。
「猊下、このことを知っているのは?」
「今のところは私とこの男のみです」
教皇は顎を少し上げる。それと同時に、護衛の男がローブを外した。そこから現れた端正な顔に、王族である彼らは見覚えがあるようだった。
王国でふたつしかない公爵家のうち、ひとつはエーヴァの実家であるグレイザント公爵家。そしてもうひとつの公爵家……彼はそこの三男坊だった。
「うむ、問題ないだろう。グレイザント公爵家に関しては、こちらで情報が上がり次第、猊下へと報告しよう。彼経由、もしくは直接……都合が良い時でいいだろうか?」
血の気が引いている教皇は全身小刻みに震えながらお礼を告げる。彼らの頭の中に最悪の事態が過ぎっていく。まずは影の情報を確認してからだ、と全員の思考は一致しているのだが……胸中には拭いきれぬ不安が燻っていた。
国王が教皇へと声を掛ける。色に何か意味があったのだろうか……国王含めて王族皆が首を捻ったその時。
「赤色は、偽者……という意味だそうです」
「偽……者……?」
「はい。飛び込んだ彼女は予言で挙げられた聖務者ではない可能性があります」
教皇の言葉に、全員が息を呑む。
それを意味することはひとつ……水の加護を得ている女神デューデ様の神託を無視した、と言うこと。そして公爵家が王家と教会を欺いたということ。
全員の表情が一斉に険しくなる。
それは見抜くことができなかった自分たちに向けたものなのか、公爵家に対する憎悪なのか……それは分からない。
部屋を静寂が包んだ後、目尻を上げた国王が一度だけ手を叩く。すると、彼の後ろに現れたのは、教皇達が身につけた黒いローブよりも、更に闇に紛れることのできる黒色のローブを着用した男。顔は見えない。
国王のみの指示を聞き、動く暗部の頭だった。
「グレイザント公爵家を調べてこい」
「御意」
一瞬のうちに消え去る男。最初はそれに呆然としていた教皇だったが、自分の話を信じてもらえたと理解し、頭を下げた。
「猊下、このことを知っているのは?」
「今のところは私とこの男のみです」
教皇は顎を少し上げる。それと同時に、護衛の男がローブを外した。そこから現れた端正な顔に、王族である彼らは見覚えがあるようだった。
王国でふたつしかない公爵家のうち、ひとつはエーヴァの実家であるグレイザント公爵家。そしてもうひとつの公爵家……彼はそこの三男坊だった。
「うむ、問題ないだろう。グレイザント公爵家に関しては、こちらで情報が上がり次第、猊下へと報告しよう。彼経由、もしくは直接……都合が良い時でいいだろうか?」
血の気が引いている教皇は全身小刻みに震えながらお礼を告げる。彼らの頭の中に最悪の事態が過ぎっていく。まずは影の情報を確認してからだ、と全員の思考は一致しているのだが……胸中には拭いきれぬ不安が燻っていた。