ようこそときめき部!~恋も夢も見つかるときめきだらけの部活動⁉
5、自分の好き探し
放課後の多目的教室は、いろんな音であふれていた。
ジャカジャカと激しいエレキギターの音、マイクのキーンとしたハウリング音、シャッターを切るカメラの音、パソコンに文字を打ちこむタイピング音。
それぞれの先輩がそれぞれの活動をしていて、統一感のない音で教室はにぎやかだった。
「みのりちゃん、やっほー! ついに写真部に入ることを決めてくれた?」
三滝先輩の言葉に、夏目先輩がパソコンから顔を上げた。
「おい、三滝。咲森を無理に勧誘するのはやめろ。昨日、そう決まっただろ」
「あ、そうだった。ごめんね、みのりちゃん」
申し訳なさそうに手を合わせる三滝先輩。
「い、いえ、全然!」
そうなのだ。
昨日みんなから一斉に勧誘された私は混乱して、そのまま頭から煙を出すみたいにオーバーヒートしてしまったのだ。
それを見た六崎先輩が、私に対しての強引な勧誘を禁止したのだ。
というか、どうして私だけこんなにも勧誘されているんだろう?
たしかにときめき部の体験入部をしているわけだけれど、初日にあんなに女の子が来ていたのに……。
私はその疑問を先輩たちにこっそりぶつけてみる。
「あ、あの、他の子は勧誘しないんですか? 初日に見学に来た子がたくさんいたと思うんですけど……」
私の質問に、夏目先輩がばっさりと切り捨てるように言う。
「あいつらは却下だ。ミーハーで、俺たちに興味があるだけで、文芸にはなんの興味もない。そんなやつらにここにいられたって、ただ邪魔なだけだ」
夏目先輩の言葉に、三滝先輩がへらりと言う。
「夏目ちゃんマジで厳しー。俺はどんな理由だろうと、女の子がたくさんいた方が楽しいって思うけどなー。ここ、男ばっかりでむさ苦しいし」
「女子とよろしくしたいなら、三滝は出て行け。三滝がいなければ、部内も少しは静かになる」
「とか言って、本当は俺のこと大好きなんだよね?」
「うるさい」
三滝先輩の言う通り、なんだかんだ言って三滝先輩と夏目先輩はすごく仲が良さそうに見える。
二人とも二年生だし、気心が知れてるのかも。
「その点咲森は真剣に部活動を選んでいるように見えた。そういうやつなら、きっと文芸部に向いている」
「それって勧誘じゃない?」
二人の会話にあはは、と苦笑をもらしていると、そういえば星名くんの姿がないことに気がつく。
星名くんはときめき部の天文部に所属しているから、望遠鏡や天文雑誌が広げられている一角にいるのかなぁ、と思ったんだけど。どうやら教室内にはいないみたい。